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設立時に提出する届出書関係

法人の新規設立は登記申請・成立したら、次は税務関係の提出になります。
まずは、納税地(法人の本店または主たる事務所の所在地)の所轄税務署長宛に下記書類を提出します。提出期限はそれぞれ違いますが、漏れがないよう、設立届出書と同時に提出することが多いようです。
東京都又は神奈川県で設立した場合の提出先所轄税務署・都税事務所・県税事務所等は下記のとおりです。
なお、神奈川県の場合、東京都でも23区以外の地域は所在地の市役所にも設立届出書の提出が必要となります。

神奈川県
神奈川県所轄税務署所在地
神奈川所轄県税事務所等一覧
東京都
東京都所轄税務署所在地
東京都所轄都税事務所等一覧

届出書一覧と提出期限

法人が設立時に提出する届出書等とその提出期限となります。詳細については、下記解説等をご確認ください。

提出先 提出書類 添付書類等 提出期限 備考

 

 

設立届出書 定款等の写し 設立登記の日から2か月以内
消費税の新設法人に該当する旨の届出書 事由が生じた場合、速やかに

 

「設立届出書」に消費税の新設法人に該当する旨及び所定の記載事項を記載すると提出不要
給与支払事務所等の開設届出書 事務所開設日から1か月以内
源泉所得税の納期の特例の申請 特に決められていない。原則として提出した日の翌月に支払う給与等から適用 給与等の受給者が常時10人未満の場合

1~6月分⇒7/10納期限

7~12月⇒翌年1/20納期限

青色申告の承認申請書 最初の事業年度終了の日

または

設立の日から3か月を経過した日の何れか早い方の日の前日

棚卸資産の評価方法の届出書 設立後最初に到来する確定申告期限(仮決算による中間申告書を提出する場合はその申告期限) 法定評価方法=最終仕入原価法
有価証券の評価方法の届出書 法定評価方法=移動平均法
減価償却資産の償却方法の届出書 平成10年4月1日以後取得の建物及び平成28年4月1日以後取得の建物附属設備・構築物=定額法

上記以外の減価償却資産=定額法または定率法(法定償却方法は定率法)

事前確定届出給与に関する届書 付表 新設法人が役員の設立の時に開始する職務につき「所定の時期に確定した額の金銭等を交付する旨の定め」をした場合、設立の日以後2か月を経過する日まで
有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出書 取得した日の属する事業年度の確定申告書の提出期限(仮決算による中間申告書を提出する場合は、その中間申告書の提出期限 届出がない場合は、移動平均法による原価法
法人税申告期限の延長の特例の申請書 定款・寄附行為、規則若しくは規約の写し 最初に適用を受けようとする事業年度終了の日まで
道府県市町村 *設立届出書 定款等の写し

登記事項証明書(株主名簿の写し等)

提出先都道府県市町村に要確認。

例)

神奈川県:事業を開始した日から2か月以内

横浜市:設立以後2か月以内

提出先

 

東京都:所管都税事務所

県:所管県税事務所

市町村:所管法人課税課等

注記1:新設法人は原則消費税の納税義務が免除されますが、例外もあります。その場合は別途届出が必要です。⇒No.6531 新規開業又は法人の新規設立のとき|国税庁 (nta.go.jp)

注記2:新設法人でもインボイス発行事業者になる等、ご相談は税理士にお問い合わせください。

令和5年度税制改正関係(インボイス関連)|国税庁 (nta.go.jp)

 

提出しなければいけない書類

「法人設立届出書」

法人が設立したことを税務署へ通知する届出書です。添付資料として「定款の写し」「謄本」「株主名簿」などを一緒に提出します。
提出期限は、設立登記の日から2か月以内となります。
提出したことにより発揮される効力はございませんが、銀行口座の開設、融資、補助金の申請などに必要となるケースがございますので必ずご提出ください。

「消費税の各種届出書」

「消費税の新設法人に該当する旨の届出書」は「法人設立届出書」に所要の事項の記載があれば提出不要。その他の書類の提出要否は税理士にご相談ください。

「給与支払事務所等の開設届出書」

役員及び従業員等に報酬や給与支払いをする場合、給与等の支払者として届け出ます。提出期限は事業所開設日から1か月以内となります。

提出すべき書類

「青色申告の承認申請書」

青色申告の各種特典が受けるために、青色申告書によって提出することの承認を受けようとする手続きで非常に重要な書類です。
提出期限は、最初の事業年度終了の日または設立の日から3か月を経過した日の何れか早い方の日の前日となっているため、第1期が3か月以上の期間であれば設立から3か月以内が提出期限となります。

青色申告の主な特典

・欠損金の繰越控除を最長で9年間繰越できる(一定の要件あり)

欠損金とは、法人税法上「各事業年度の所得金額の計算上、当該事業年度の損金が当該事業年度の益金を超える場合における、その超える部分」と定義されており、税法上の赤字部分を意味します。青色申告の特典として過去に赤字部分を黒字事業年度の黒字と相殺して、相殺後の金額を税務上の利益し法人税を計算してよいこととなります。

・欠損金の繰り戻しによる還付請求をすることができる。
中小企業者等が前期に黒字申告で税金を納付していて今期赤字になった際には、その赤字分を前期の黒字を相殺する欠損金の繰り戻しによる法人税の還付請求できる制度です。この制度で適用できるのはあくまで国税の法人税だけとなります。したがって法人事業税や法人住民税などの地方税は還付対象とならないことにご留意ください。
・30万円未満の少額減価償却資産については一括で経費にできる(最高300万円まで)

青色申告法人のうち常時使用する従業員500人以下の中小企業者が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を取得した場合には、適用を受ける事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円(事業年度が1年に満たない場合には300万円を限度額を月数で按分)まで、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます。

 

「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」

源泉所得税は原則として徴収した日の翌月10日が納期限となっています。給与支給人員が常時10人未満であれば、年2回にまとめて納付できるという特例 制度を受けることができます。
提出期限は特にございませんが、原則として提出した日の翌月に支払う給与等から適用されますので早めの提出必要です。
納期限 1月~6月までに源泉徴収⇒7月10日
7月~12月までに源泉徴収⇒翌年1月20日

必要に応じて提出する書類

「事前確定届出給与に関する届出書」

事前確定給与とは、法人が役員に対して、所定の時期に確定した額の金銭等を交付する旨の定めに戻づいて支給される給与のことです。届出した支給額と実際の支給額が異なる場合には、原則として支給額全額が損金不算入となります。
提出期限は、設立事業年度は設立日以後2月を経過する日までとなっており、その後の事業年度は「株主総会にて決議した日から1月を経過する日」と「会計期間4月経過日等」のいずれか早いとなっております。

「有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出書」

有価証券を所有していなかった法人が有価証券を新たに取得した場合又は従来所有していた有価証券と区分及び種類の異なる有価証券を新たに取得した場合に、一単位当たりの帳簿価額の算出方法を選定して届ける場合の手続きです。提出期限は、取得した日の属する事業年度の確定申告書の提出期限までとなっており、届出書の提出がない場合には移動平均法による原価法が採用されます。

「法人税申告期限の延長の特例の申請書」

法人税の申告期限は、原則事業年度終了の日から2か月以内となっていますが、
定款等の定めにより、決算承認の株主総会の開催が2か月以内に行えない場合等の理由により法人税申告期限を延長しようとする場合などに提出します。
なお、この申請書だけでは、事業税などの地方税には効力がないため別途、県税事務所や市役所にも同等の申請書の提出が必要となります。
県税事務所や市役所に提出する際には、税務署へ提出した申請書の控えが必要となりますので、まずは税務署からご提出ください。
その他の特例に該当する理由などは下記をご参照ください。

C1-17 定款の定め等による申告期限の延長の特例の申請|国税庁 (nta.go.jp)

「減価償却資産の償却方法の届出書」

新たに業務を始めた場合、減価償却資産の償却方法を選定し届出ます。この届出がない場合は法定償却方法で計算することになります。法定償却方法は以下の通りです。

種類 法定償却方法
建物・建物附属設備・構築物・無形固定資産 定額法のみ
上記以外

(機械設備:車両運搬具・工具器具備品等)

定率法

※2024年取得の場合です。詳細や選定方法については税理士にご相談ください。

「棚卸資産の評価方法の届出書」

事業所別に、又は棚卸資産の区分をさらにその種類の異なるごとなど細分してそれぞれ異なる評価の方法を選定することができます。提出がない場合は法定評価方法である“最終仕入原価法”が適用されます。

安藤清隆税理士事務所
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